LED電飾工作の基本 はんだ付けのコツ 1 [電飾工作の基本]
電子工作は何をやるにしてもはんだ付けを避けて通れませんが、初心者はここで躓くことが多いのではんだ付けのコツを記事にしました。本当は電飾工作の基本としては真っ先にやるべきだったのかもしれません。
■ はんだ付けは予熱が重要 ■
初心者がはんだ付け作業がうまく出来ないという場合、大抵は溶けたはんだが部品になかなか付いてくれないということだと思います。これは単純にはんだを付ける部品(母材)に熱が足りないからです。
母材が十分に温まっていなければいくら頑張ってもはんだは付いてくれません。接着剤ではないので溶けたはんだを付ければそのままくっつくという事ではないのです。
簡単に言えば、はんだは熱に乗っかるといった感じでしょうか。
まず、はんだ付けの対象である母材にコテ先を当てて十分に温めてからそこにはんだを溶かし込むのが正しいやり方です。先に母材を温めその熱にハンダを乗っけるということが体感できれば、それだけではんだ付けがかなりスムーズにできるようになります。逆に言えばこれがわからなければいつまで経っても上達しません。
先に母材を十分に温める。
これを意識して作業しましょう。
じゃあどの程度温めればいいのか?そもそも部品が壊れたりしないのか?という疑問が残るかと思います。
電子部品がはんだ付けの際に耐えられる温度というのはデータシートに書いてあります。「Tsol = 260℃/5sec」なら260℃で5秒以内ということです。データシートがなくても大抵のものはこんな感じです。電子部品は意外と熱に強いのでよほど高温でダラダラやらない限りははんだ付けの作業の熱で壊れることは少ないです。
はんだゴテはコテ先を当てた時に熱が持っていかれて温度が下がるので、設定できるコテなら300~350℃ぐらいが丁度いいかなと思います。もちろん状況にもよりますが。
温調機能がないハンダゴテだと放っておけば450℃とかの高温まで上がってしまうので気を付けないと部品を壊す恐れがありますね。使いにくいですね~。
で実際に母材を予熱するときは使うハンダの融点ぐらいまで熱してやればいいと思います。はんだの融点はパッケージ等に書いてありますので確認しましょう。
作業中に母材が何度まで温まっているかは感覚に頼るしかないのですが、コテの現在温度がわかればそれも容易になります。例えば350℃で1秒予熱してからハンダを溶かし込んでそのまま融点で1秒とかいう感じです。ここでもやはり温調機能がある方が作業しやすいことがわかりますね。
■ はんだの劣化 ■
はんだは熱を加えすぎるとダメになります。
ダメになったハンダは艶がなくボソッとした感じになり色も黄ばんだ感じに変色するのでひと目で分かります。こうなってしまうともう使いものになりません。上手くいかないからといって何度も溶かしたりすると熱を加えるたびにハンダの状態が悪くなっていきます。
高すぎない、低すぎない適切な温度でさっとはんだ付けをしてやる必要がありますが、温度調節機能がないはんだゴテだと初心者にはなかなか難しいですね。
温調機能がないと温度が上がり続けてしまうので冷やさなければならないし、冷やしたとしても何度まで冷えたのかがわからない。またそこから適切な温度まであげようとしても適切なところで温度の上昇が止まってくれないのです。この扱いづらさが初心者のはんだ付けを難しくしている原因の1つでしょう。
温調機能付きは4000円程度、温調なしなら1000円以下でも買えますので温調なしの方を選んでしまうのは無理も無いのかもしれませんが・・・。
■ コテ先クリーナー ■
はんだ付け作業にはコテ先クリーナーが必須です。
昔ながらの水を含ませるスポンジタイプとか温度が下がりにくい金属タワシのようなものもありますが、スポンジタイプを使う場合は気を付けて欲しいことがあります。
クリーナーはあくまでもコテ先の汚れを取るためのものであって温度を下げるためのものではないということです。
水を含ませて使うのでコテ先をあてるとジュー!ジュー!と音がしてなんとなく気持ちがいいのでついやりたくなってしまいますが、コテ先の掃除をする際もできるだけスポンジに触れる時間を減らしたほうがいいです。
コテ先の温度が上がりすぎたからといってコテ先をジューーーーーッ!と押し付けるなんてもってのほかです。
これをやっているとコテ先があっというまにボロボロになってしまうのでコテ先の交換ができないはんだゴテだと買い換える羽目になります。
じゃあどうやって温度を下げるのかというと・・・・・・・・・・電源を切りましょう!
なんかめんどくせーなって思いませんか?
それなら素直に温度調節機能があるはんだゴテを買ってください。
はんだ付け作業の際には頻繁にコテ先の掃除をしなければいけません。先程述べたように熱を加えすぎたハンダは劣化して使い物にならないただのゴミになりますが、そのゴミがコテ先に付着しているとはんだ付けの邪魔になるからです。また、汚れていると熱伝導も悪くなります。
コテ先を常にきれいな状態に保つことはとても重要です。
■ はんだの選び方 ■
ホームセンターとかに行くと様々な種類のはんだが売っています。
電子工作で使う場合にはヤニ入りで有鉛はんだであればなんでもいいです。鉛フリーはんだというものがありますがこれは使いにくいので避けましょう。私の電子工作はすべて有鉛はんだです。
太さに関しては、太いものは瞬間的なハンダの供給量が多いので小さな部品とかには向いてないです。少なくともチップ部品には0.6mmとかの高密度集積基板用とかの方がいいのではないでしょうか。
まぁ、とにかくですね、温調機能があるといろいろ捗るよ!ってことです。
やはり温度調整機能付きのコテが必須ですね~
手持ちのコテは調整できないやつです。しかもやけにでかいので素直に買い替えるべきですね~
by 青い森のヨッチン (2019-07-25 22:04)
昔はコテはできるだけ大きいほうが良いと考えられていたそうで、年配の職人さんたちには今でも標準のコテだけでなんでもこなす方がかなりいらっしゃるようです。
あくまでも昔の話なんで、これから始める人は余程のドMでない限り温調機能付きをおすすめします。
by 電子ラモス (2019-07-27 06:13)