チップLEDにエナメル線をはんだ付け [電飾工作の基本]
ガンプラ電飾にはチップLEDが欠かせませんが、あまりにも小さいので難易度が高そうに思われがちです。今回はチップLEDにエナメル線をはんだ付けして点灯させる方法を解説します。
やってみれば意外と簡単なのです。
■ エナメル線 ■
エナメル線という名前で売られているのは、ポリエステル銅線というのもありますがほとんどがポリウレタン銅線です。ホームセンターの売り場などでも見かけますがパッケージには「エナメル線(ポリウレタン銅線)」と表示されたりしてます。店頭で見かけるエナメル線は被膜が透明で中の銅線がそのまま見えるものが多いですが、できれば赤とか青とか色が着いている被膜のものがいいと思います。
理由は被膜が着色されていると被膜に傷がついて剥がれてしまった時にわかりやすいからです。
このエナメル線をチップLEDの端子にはんだ付けするのですが、この被膜を剥がしてやる必要があります。被膜はハンダの熱で溶かす方法と紙やすりなどでこすって剥がす方法がありますが、今回はハンダの熱を使って溶かす方法でやります。
■ エナメル線の被膜を剥がす ■
今回はあえて私としては普段はほとんど使わない標準のコテ先で作業しました。
エナメル線は熱に結構強いのではんだゴテの温度は350~400℃位の高めがいいです。まずコテが十分に温まったらコテ先にハンダを溶かします。ハンダを溶かすのはコテ先の上でも下でも構いませんが、私は下に垂らす派です。大量に垂らさない限りこぼれ落ちたりしないので大丈夫です。
コテ先にハンダが雫のようにぶら下がってる状態です。ここにエナメル線の先端を挿入すると熱で皮膜が溶けると同時に中の導線をハンダメッキするわけです。
被膜が溶け始めると湯気が出てハンダに触れている被膜がジュワジュワと溶ける様子が見て取れます。エナメル線を抜き差して挿入した部分の被膜が全部溶けてハンダメッキされていれば完了です。
これをエナメル線の両端に施したものを2本用意します。
エナメル線にボソッとしたハンダがまとわりつくようになったらそのハンダはもう熱でダメになっているので捨てて新しいはんだを溶かしてください。割とすぐダメになりますがハンダは消耗品なので仕方がないのです。
■ チップLEDを固定するための治具を作る ■
なんであってもはんだ付けをする際には母材をしっかりと固定することが重要です。チップLEDは非常に小さいので固定するのも一苦労ですが、両面テープなどを使うといいでしょう。今回は私が普段から使っている作業台(?)を紹介します。
これはですね、アルミ板に両面テープを貼ってそこに用済みになったデザインナイフの刃を並べて固定したものです。この2枚の刃の間にチップLEDを挟むわけですね。左が2012サイズ用、右が1608サイズ用でこれ以外にも複数の各サイズ用の刃が貼ってあります。チップLEDは凸型の形をしていて、それを裏返した状態ではんだ付けすると非常に不安定で作業性が悪いので、少しでも作業性を上げるためにこんなものを作りました。私はこれを複数のLEDにまとめてはんだ付けする時に刃の間にずらっと並べてはんだ付けします。
もっとがっちり固定したいなら刃を卍のように4枚並べる方法でもいいでしょう。ただし、1005サイズなどカッター刃の厚みよりも高さが低いLEDだとこれらの方法は使えません。
私のおすすめとしては塗料皿を裏返して使うといいです。個人的には塗料皿は大きさと高さがぴったりだと感じていますし、モデラーなら大抵の人が持っているでしょう。これに両面テープを貼ってLEDを固定します。ただ、塗料皿は軽すぎるので裏側に粘土を詰めたり両面テープで皿を机に貼り付けるなどして固定しないと、はんだ付け中に皿が動いてしまって作業し難くなります。
これにカッターの刃などを貼り付けてもいいですが、慣れてくるともうこのまま使うようになります。カッターの刃を貼るなら3枚使って3点方式で固定してもいいでしょう。
■ チップLEDにはんだ付けしてみよう ■
長くなりましたが、チップLEDにはんだ付けしてみましょう。先程のカッター刃の治具を使います。まずチップLEDの裏面にはんだ付けをするための電極がありますので、裏返しにして固定しましょう。
次はこの電極によびはんだをします。よびはんだとは母材に予めハンダメッキをしておくことです。コテ先の温度は300℃ぐらいでいいと思います。コテ先を電極にチョンチョンチョンと軽く当てて温めてから細いはんだを母材とコテ先の間に挟むようにして溶かします。これをはさみハンダと言いますが個人的にはこの方法が最も作業しやすいです。これを両方の電極に施しましょう。はんだはプリント基板用の細いものを使っています。
ちなみに普段の私はD型のコテ先で2つの電極に同時にによびはんだしてます。
言い忘れましたがチップLEDの裏面にあるマークで電極の極性がわかります。矢印の向いている方がカソードです。矢印以外にもT字のようなマーク、野球のホームベースのようなマークなどありますが、これは電気の流れる方向を意味しているのでマークの細い方、尖っている方がカソードです。上の写真だと下の電極がカソード。
これに先程の2本のエナメル線をはんだ付けします。
エナメル線のハンダメッキされた部分をLEDの電極に当てます。この時、電極の上にエナメル線を乗せるように置くよりも内側から電極に当てるようにした方が作業しやすいと思います。下の写真のような感じです。
ハンダメッキ部分の根本が電極に収まるようにします。
そしてこの状態でコテ先を当ててハンダを溶かしてやれば電極とエナメル線がはんだ付けされるわけですが、この時もコテ先を上から当てるよりもチップLEDの側面から当ててやるようにした方が失敗が少ないと思います。
コテ先を当ててハンダが溶け、電極とエナメル線が融合したらコテ先を離しますが、この時エナメル線を持っている手はコテ先が離れてから3秒は動かさないようにしましょう。完全に冷えるまでジッとしていてください。
はんだ付けが成功したら2本のエナメル線をヨリ線にします。
電極に余計な力が加わらないようにチップLEDを指で挟みながら線をねじります。ヨリ線にしておかないと作業中にあっさり電極がもげたりするので是非やっておきましょう。
エナメル線の先端が飛び出ているのでこれを使わなくなった薄刃ニッパーなどで切って完成。
点灯!
塗料皿の裏は結構私も使います。やはり両面テープを貼って細かいパーツ(模型)の成型とかをデザインナイフとかでやります。両面テープがはれるベースなら何でもいいのですが何故か塗料皿の裏がしっくりきます。
amazonのプライムセールで買ったプログラミング学習用の電子工作実験キットにブレッドボードとかLEDとかダイオードとかいろいろはいっているようなので過去記事を参考に実験してみたいと思います(まだ未開封ですが)
by 青い森のヨッチン (2019-08-08 21:04)
まずは定番のLチカからですね。LEDをチカチカさせるだけでもガンプラのバーニア、エアモデルなら衝突防止灯などすぐに電飾改造に応用できます。
by 電子ラモス (2019-08-10 12:00)